コラム 第3回 :ニキビやコメドができるまで

第2回のコラムで、手作り石けん(コールドプロセス石けん)とニキビやコメドの関係について触れました。
今回はもう少し詳しく、脂肪酸がフリーのまま残っているもの(遊離脂肪酸)が どうしてニキビやコメドの悪化につながるのかについて、触れてみたいと思います。
コメド(面皰)とニキビができるまで
では、下の図で順を追ってみていきましょう。

まず、毛孔周囲の角化の亢進が始まります。
   
「角化亢進」の原因については皮脂のトリグリセリドが皮膚の常在菌であるアクネ菌によって分解されて出来た、遊離脂肪酸(グリセリンと結合していない、フリーの状態の脂肪酸)による刺激によると考えられています。


狭くなった毛孔から皮脂が出られず、毛孔(毛穴)に詰まり始めます。
毛孔の中に落ちた角質と皮脂が混じりあって「角栓」となります。
周囲の皮膚が皮膚が白く盛り上がってくると白ニキビ(白色面皰)と呼ばれる状態に。


毛孔に詰まった角栓が酸化して黒くなり始めます。
またメラニン色素を含んだ角化細胞が積み重なることによっても黒くなります。
この状態を黒にきび(開放面皰)といいます。

アクネ菌は空気がないところのほうが増殖が活発になる嫌気性菌。
だから 毛穴に角栓がつまっているこのような状態のほうが、爆発的に増殖し炎症を引き起こします。


うみがたまると膿腫となります。

ポイント:「皮脂が多い=ニキビが出来やすい」とは限らない!
皆さんは ニキビや吹き出物が出来やすい肌=皮脂が多く出ている人 と思っている方が多いのではないでしょうか。
しかし、多くの肌質を調査した結果、必ずしも 「脂性肌」の人がニキビが出来やすいわけではないことが分かってきています。
ニキビや吹き出物が出来やすい肌の方には 「普通肌」や「乾燥肌」の方も多くいらっしゃるのです。
ニキビ、吹き出物が出来やすい肌の人の皮脂を採取してみると、ニキビや吹き出物が出来にくいお肌の方と比べ、皮脂が分解されて出来た脂肪酸、特に脂肪酸の中でも「オレイン酸」が多く含まれていることが分かっています。
「オレイン酸」は 第2回目のコラムで書いたように、オリーブ油や椿油に多く含まれる不飽和脂肪酸です。
遊離脂肪酸が多く残ってしまうことになるコールドプロセス製法で作った石けんでは、このオレイン酸も多く残っています。
ですから、ニキビやコメド、吹き出物が出来やすいタイプの方に「おすすめできない」ということなのです。