コラム 第6回: 角質細胞の中にある潤い成分 NMF

今回のコラムでは 角質細胞(角層細胞)の中にあるNMFという潤い成分について取り上げてみたいと思います。
NMFとは Natural Moisturing Factor の略。「天然保湿因子」とも呼ばれます。

このNMFは角質層のすぐ下にある顆粒層で前駆物質となるタンパク質(プロフィラグリン)が作られ、ターンオー
バーに従って 顆粒細胞が角質細胞に移行すると分解(フィラグリンになる)、角質細胞が下の層から上の層へだ
んだん上がっていく過程でタンパク分解酵素の働きでアミノ酸にまで分解され、NMFとして機能すると考えら
れています。
NMFの組成は下記のようなものです。
 遊離アミノ酸  40% マグネシウム  1.5% 
 ピロリドンカルボン酸  12.0%  リン酸塩  0.5%
 乳酸塩   12.0%  塩酸塩  6.0%
 尿素 7.0%  尿酸、グルコサミン、アンモニア、クレアチニンナトリウム   5.0%
 カルシウム  1.5%  クエン酸塩、ギ酸塩  0.5%
 カリウム  4.0%  糖類、有機酸その他  8.5%

上記のNMF成分のうち、特に 保湿力が良好な成分としてアミノ酸、ピロリドンカルボン酸塩(PCA)、乳酸塩、尿素があります。
当社の化粧水「グローバルビューティー スキンローション」には アミノ酸(アスパラギン酸、アルギニン)
、乳酸塩(乳酸Na)と乳酸、ピロリドンカルボン酸塩(PCA-Na)を配合しており、「NMFの働きをサポートする化
粧水」と謳っているのは 上記のような理由からなのです。

ここで、「なぜ NMFの中で保湿力の高い成分のひとつ、尿素を配合していないの?」と疑問に思われたかもしれませんが、尿素を配合していない理由は  尿素が経時で分解して「アンモニア」になりやすいからで、アンモニアになるとpHが上昇、保湿力も低下して しまいますので、石けん洗顔後のややアルカリ側に傾いた肌を弱酸性に戻す」という目的にかなわないものにな ってしまうからです。
尿素を保湿剤とした化粧水やクリームは価格が安いし、自宅でも簡単に作れるので人気があるようですが、長く
保管していると尿素が分解してアンモニアになるというのが問題点です。
これは角質を柔軟にする目的だったら 良いですが、敏感肌の方には刺激になってしまいます。
石けん洗顔のみで「角質柔軟化」の目的は十分果たしており、さらにその後の化粧水でさらに角質溶解や柔軟化をする必要はない・・・というのが当社の考え方です。