コラム 第8回:皮脂膜の成分について

今回のテーマは皮脂膜についてです。

皮脂膜の重要性は 以前から言われてきたところですが、化粧品メーカー、もしくはカリスマ的な「美容家」と言われる方の中で、皮脂の重要性だけに あまりにも偏ったスキンケア方法を謳っているところがあって、これは皮膚の構造や機能を考えると、不適切と言わざるを得ません。

保湿に最も重要な働きをしているのが細胞間脂質で、角質層の保湿の80%をも担っていると考えられています。
ですから、NMF、皮脂膜は 細胞間脂質ほどの重要性は ないと言えるのですが、それでも欠かすことのできないものであることは間違いありません。

皮脂膜の成分は脂肪酸やグリセリンと脂肪酸のエステル、ロウ、スクワレン、リン脂質、コレステロールなどの油性の成分とナトリウム、カリウム、カルシウム、塩素 などの無機塩類、アミノ酸類、乳酸、ピロリドンカルボン酸、尿素糖 などの 水溶性の有機物から成ります。

注目すべきは 皮脂膜が「油性の成分」だけで構成されているのではないところです。

皮膚の表面からは 常に汗をかいています。
汗をかいていることが 気付かない場合でも 皮膚は常に汗をかいていて、これを不感知蒸泄といいます。
1日の発汗量は1〜1.5L。

汗と脂質が交じり合った「天然のクリーム」が皮脂膜なのですが、クリームとして乳化できているのは 脂質に含まれている天然の乳化剤であるラノリン、コレステロール、リン脂質のおかげなのです。 

この天然のクリームである皮脂膜ですが、普段は 油の中に水が分散している構造(油中水型)となっていますが、汗の量が多いときには水の中に油が分散している構造(水中油型)となっています。

よく皮脂膜の代わりに、とか「オイルで蓋をする」といって洗顔後に「オイル」をすすめるメーカーや美容家さんがいらっしゃいますが、当社では そのようなスキンケアはおすすめしておりません。

「皮脂膜の代わり」というならば、オイルではなく、乳化物(エマルジョン)を補うのが 肌本来の構造・機能から見て、最適だからです。

Global Beautyの「ボタニカルエマルジョン」は 大豆由来のリン脂質や、フィトステロール(コレステロールに似たもので、植物ステロールのこと)、グリセリンと脂肪酸のエステルが乳化剤となって 油脂と水分、水溶性保湿成分を乳化したものです。

これらはいずれも 皮脂膜の中の油性成分、表皮脂質の中にある天然の乳化剤と、とても似たものですよね。

細胞間脂質の機能をサポートするのが「ボタニカルエマルジョン」だと謳っていますが、そればかりではなく、
皮脂膜の代わりになるのが「ボタニカルエマルジョン」でもあるのです。