コラム 第5回 :お肌のうるおいキープの鍵は「細胞間脂質」にあり(2)

第4回のコラムでセラミドが加齢によって減っていくことについて触れました。

下記の表は20代でのセラミド量を100としたとき、顔の皮膚で、加齢によってどの程度セラミド減っていくかを示したものです。
 21〜30歳 100% 
 31〜40歳 62% 
 41〜50歳 37% 

加齢によってセラミドが減少するのは 角層中にあるセラミドを分解する酵素「セラミターゼ」の活性が著しく増加し、その結果 セラミドが加水分解されるからです。
また、アトピー性皮膚炎の方の皮膚でもセラミドが少なくなっています。
それは セラミターゼを産生する緑膿菌が多く見られたり、セラミドを作る過程で通常とは違う別の酵素が働いて、
セラミドでないものを作ってしまったりしてしまう為、細胞間脂質内のセラミドが減少してしまうのです。

皮膚内でセラミドを多く作るには 角質層が弱酸性であることが大切。
セラミドの大切さは今までに述べた通りですが、皮膚内でセラミドを多く作らせるには いったいどうすればいいのでしょう。
セラミドは表皮角化細胞(ケラチノサイト)において、アミノ酸の一種セリンと脂肪酸のパルミチン酸を出発原料にして種々の酵素が働き、生成されます。これらの酵素の働きは弱酸性の条件で活性化されることが分かっているのです。
健康な皮膚は ピロリドンカルボン酸、ウロカニン酸、遊離脂肪酸などの働きにより弱酸性を保っていますから、アルカリ性の石けんで洗顔した後も 肌が持つアルカリ中和能が働いて 何もしなくても洗顔後30分〜90分程度で弱酸性に戻ります。だからセラミドを合成する酵素の活性が低下することもないのですが、アトピー性皮膚炎の方や過度に石けん洗顔をしすぎてしまっている方は アルカリ中和能が低いので、弱酸性に戻るのに時間がかかってしまいます。

Global Beautyのスキンケアは アルカリ性の石けん(マイルドソープ)で洗顔した後は すぐに弱酸性の化粧水(スキンローション)をつけ、石けん洗顔によって ややアルカリ側に傾いたお肌のpHを素早く弱酸性に戻すスキンケアです。
その後 セラミドやフィトステロール、脂肪酸といった細胞間脂質の役割をサポートする成分を配合した美容乳液(ボタニカルエマルジョン)で保護する・・・という流れでお肌のお手入れ行うことをお薦めしています。

汚れを除去したり角質を柔軟にするのはアルカリである石けんが優れており、その直後につける化粧水は「弱酸性」が好ましいというのは お肌の弱い方に適しているというだけでなく、セラミドを作る酵素を活性化させる意味でも重要、ということなのです。

石けんユーザー様の中には アルカリ性の石けんで洗顔した後に、さらに石けんよりも強アルカリ性の
「ベルツ水」やそれをベースにした角質柔軟化を目的とした化粧水でお手入れされている方もたくさんいらっしゃるようです。
お肌の強い方は それでも良いかもしれませんが、敏感肌の方やアトピーの方には セラミド形成という観点から見て、おすすめできないスキンケア法と言えます。