コラム 第9回:季節と皮脂

前回に引き続いて、皮脂膜についてです。
ここでは 季節や年齢によって皮脂膜の量が どう変化するかを見てみましょう。
前回のコラムで皮脂膜は 皮表脂質(皮脂)と汗の乳化したものだと述べました。
季節によって、つまり温度と湿度の変化によって、皮脂や汗の量はどのように変化していくでしょうか。
面白い実験データがありました。下記は書籍からの抜粋です。
(「出典「コスメチックQ&A事典」日本化粧品工業連合会編)

夏の環境として室温30℃、湿度70%を、
春・秋の環境として室温25℃,湿度60%を、
冬の環境として室温15℃湿度,40%
に調整し、3人の男性で皮脂の量と汗の量を調べたのです。
その結果、
夏(室温30℃、湿度70%)状態での 皮脂量 → 315μg/cm2/3時間
春・秋(室温25℃,湿度60%)状態での 皮脂量 →235μg/cm2/3時間
冬(室温15℃湿度,40%)状態での 皮脂量 → 154μg/cm2/3時間
となりました。
夏の条件下での皮脂量に対し、春と秋では75%、冬は49%だったのです。

次に、汗の量も 同様に調べました。
夏(室温30℃、湿度70%)状態での 発汗量 → 0.54mg/cm2/1時間
春・秋(室温25℃,湿度60%)状態での 発汗量 → 0.40mg/cm2/1時間
冬(室温15℃湿度,40%)状態での 発汗量 → 0.3mg/cm2/時間
夏の条件下での発汗量に対して春・秋は74%、冬は56%の発汗量となりました。

この2つの実験の数値を足して、3時間当りの皮脂+汗(皮脂膜)の量を計算すると
夏(室温30℃、湿度70%) → 1935mg/cm2/3時間
春・秋(室温25℃,湿度60%) →
1435mg/cm2/3時間 (夏の74%)
冬(室温15℃湿度,40%) → 1054mg/cm/3時間(夏の54%)
という結果になりました。
やはり皮脂膜としての量も 夏に対して 春と秋は74%程度に、冬は54%程度になってしまうということです。

そして 注目して欲しいのは 単に夏に比べて冬の皮脂膜の量が減るというだけでなく、温度と湿度の部分です。

最近、夏でも お肌が乾燥している・・・という方が増えてきました。
多くの方は 日中、夏は 冷房で室温を下げ、湿度を下げていますよね。
日中、冷房完備のオフィスやご家庭にずっといらっしゃる場合は 外気温が夏であっても室内は 室温は春か秋、湿度にいたっては冬に近い状態になっていたりするんです。

また、若い方を中心に、幼児のころから 冷暖房完備の中で育ってきている方も多いと思います。
その場合は 汗腺があまり発達していないために発汗量が少なく、余計に 皮脂膜を構成する汗の量も少ないわけです。

エアコンによる冷暖房の効いた部屋で1日の大半を過ごされている方は 部屋に加湿器を置いて湿度を上げ、
お肌が乾燥するたびに化粧水をつけるなどして、保湿されることをおすすめします。

ちなみに、Global Beautyの化粧水、「スキンローション」は メイクの上からでもスプレーできる化粧水です。
メイクがよれたり崩れたりすることなく、メイクの上からお手軽に保湿ができますので、バッグにしのばせて お肌が乾燥する度にスプレーして馴染ませると良いですよ。