コラム 特別企画 :「お肌の悩みとその対策」

先日、お肌の悩みについて、ネット上でアンケート調査を実施しました。
その結果、以下のような悩みが多いことが分かりました。(複数回答あり)

肌の悩み /年齢別人数  10代 20代  30代  40代 50代   合計
 肌の乾燥  6名  58名  82名  37名  4名  187名
 ニキビ、吹き出物  5名  50名  59名  14名  3名  131名
 シミ、ソバカス  2名  39名 107名  50名  11名  209名
 シワ  0名  20名  74名  35名  8名  137名
 たるみ  0名  18名  62名  34名  11名  125名
 くま  3名  35名  47名  18名  2名  105名
 毛穴の汚れや目立ち  3名  74名  110名  41名  9名  237名
 自分に合う化粧品がない  1名  16名  22名  6名  3名  47名


年代別調査人数: 10代 9名、  20代 102名、  30代 151名、  40代 64名、  50代 18名
調査期間:2010.9.11〜9.25
そこで、今回のコラムは特別企画として、お肌の悩みについて、化粧品で改善できること、できないこと、また、普段の生活で気をつけることなどをまとめてみました。
ご参考になれば幸いです。

1.お肌の乾燥とその対策
まず洗った後に「突っ張り感」を感じる洗顔料をお使いの場合は、それを見直してみることが大切。
汚れはしっかり落として潤いは守る・・・そんな洗顔料が理想です。
弊社の石けん「マイルドソープ」は豊かな泡立ちで汚れはさっぱり落としながらも、つっぱり感が無いと
多くの方に評価をいただいています。

そして、洗顔後はできるだけ時間をおかずに「すぐに」化粧水をたっぷりつけましょう。
お肌の乾燥が酷い場合は コットンを薄く裂いて化粧水を浸して3分くらい、コットンパックをされるのも
お薦めです。このとき、あまり長い時間コットンをお肌の上においておくと、乾くときに逆にお肌の水分を奪われてしまいます。

化粧水の後は クリームもしくは乳液のような油分と水分の両方を補えるもので潤いが逃げないようにお肌を保護します。
角質細胞の間を埋めている細胞間脂質と類似の成分(セラミドやコレステロール、コレステロールエステル)が含まれたクリーム・乳液は特に有効です。
弊社の美容液「ボタニカルエマルジョン」には細胞間脂質と似た成分(セラミド、フィトステロールエステル)を配合していますので、お肌の乾燥に特に有効です。

今流行りの「オールインワンジェル」のようなものでは、水分補給も足りない上に、合成ポリマーによって隙間だらけのごく薄い膜をお肌の表面に貼るだけのものですので、うるおいキープ力に欠けます。

普段エアコンをつけっぱなしのオフィスや自宅に長時間いることが多い方は是非加湿器を置いて、湿度が下がりすぎないようにしてください。

2.ニキビ、吹き出物とその対策
洗顔はけん化法もしくは中和法で作った「石けん」がおすすめです。
弊社のHPの「手作り石けんは本当に肌に良いのか」という記事に書きましたが、手作り石けんは「コールドプロセス」製法で作られている為に、ニキビの前段階である角栓やコメドの原因になる「遊離脂肪酸」を多く含んでいます。
このタイプの石けんはニキビや吹き出物に悩んでいる方にはおすすめできません。

それに対し、けん化法や中和法で作られた石けんは 純度がとても高く、「遊離脂肪酸」は限りなくゼロに近い状態なんです。
ですから、角栓の詰まりによる毛穴の黒ずみやニキビ、吹き出物にお悩みの方は コールドプロセス製法の手作り石けんではなく、純度の高い石けんを使うようにしてください。(弊社の石けんは純度が高いので角栓やコメドが出来やすい方におすすめできます。)

洗顔の後は化粧水でたっぷり保湿を心がけるのは乾燥肌の方の対策と同じです。

化粧水の後の乳液タイプの美容液は 皮脂が多く出ている脂性肌の方は つけないほうが良い場合もございます。ほんの少量もしくはお肌が部分的に乾燥しているところにだけ美容液をつけるようにしてください。

また、皮脂はあまり出ておらず、お肌はむしろ乾燥しているのに、吹き出物ができるタイプの方もおられます。
そのような方は通常通り、お肌全体にうすく延ばせる程度の量の美容液をつけてください。

ニキビや吹き出物は 油や糖分の多い食事、メイクやヘアスタイルでも悪化することがあります。
メイクはできるだけ軽めに、できれば、ヘアスタイルはおでこや頬、顎にかからないようにしたいものです。
また、女性の場合、生理前はどうしてもニキビや吹き出物ができやすくなりますので、この時期に脂っこい食事やお菓子類を食べるのは特に避けましょう。

3.シミ・ソバカスとその対策
シミ・ソバカスの改善には とにかく長期間が必要になると思ってください。

毎日の洗顔でターンオーバーを促し、メラニンを含んだ古い角質を除去したり、マッサージで血行を促進して、お肌の細胞に栄養を与えて活性化させ、新陳代謝を促すのを第一におすすめしたいです。
また、新たなシミやソバカスを今後作らないように、紫外線からの物理的防御(日傘や帽子、サングラス、長袖など)を心がけてください。

美白効果のある植物エキス(ユキノシタ、ボタン、カンゾウ、オウゴン等)やビタミンC、Eの含まれた内服薬やサプリメント、化粧水や美容液をお使いになるのもある程度の効果はありますが、いずれも即効性のあるものではなく、時間がかかると思ってください。

化粧品ではいずれの美白成分も思ったほどの即効性はなく、「長く続けること」が大事ですので、無理して高価な化粧品を買っても、投資した金額に見合う効果は得られないものと思ったほうがよいです。
美白成分が配合されていて、且つ「続けやすい価格」であることも化粧品を選ぶ大事な要素ではないでしょうか。

4.シワ、たるみとその対策
化粧品で老化そのものを食い止めることはできませんが、日頃の心がけと化粧品によって、「老化を遅らせる」ことだったらある程度可能と思います。

まず大事なのは 紫外線をできるだけ浴びないようにすること。ガラスを通しても入ってくる長波長の紫外線A波は特に、真皮にまで到達し、コラーゲンやエラスチンを変性させてしまい、老化を加速させてしまいます。

化粧品選びは 抗酸化作用のある植物エキス(オウゴン、ボタン、カンゾウ、ユキノシタなど)やビタミンCやE、カロテノイドが入ったものもおすすめできます。
当社の化粧品ではトコフェロールの40〜60倍の抗酸化力を持つビタミンEの一種、トコトリエノールを配合した美容液が特におすすめ。

年齢と共に角質細胞の間を埋めている細胞間脂質のセラミドも減っていきます。弊社のミルクタイプ美容液「ボタニカルエマルジョン」にはコメ由来の植物性セラミドを配合し、細胞間脂質の働きをサポートします。

化粧水→美容液(乳液)とつけた後には 美容液の浸透を促す為、マッサージをおすすめします。アトピー肌で、マッサージそのものが刺激になるような方は手のひらでハンドプレスするような感じで優しくお顔をプッシュして、美容液成分の浸透を促してください。

これを続けることで、お肌が内側からふっくらとして、小じわは目立たなくなってきます。

年齢によるお肌の「たるみ」が気になる方は すでにたるんでしまった部分の改善は 化粧品では不可能なので、今後たるまないように、また、たるむのを遅らせる為に、まずは「表情筋を鍛える」ことが大切です。
マッサージも効果があります。
下から上に、内から外に、シワやたるみの線の方向からみて「直角」方向に・・・というのを意識してマッサージを毎日行ってください。

5.「くま」とその対策
まずは規則正しい睡眠が取れているか、生活習慣を見直してみてください。

お仕事が不規則などで、どうしても睡眠が不規則にならざるを得ない方もおられますので、そのような方は
血流をよくするためのフェイスマッサージや蒸しタオルをおすすめします。

目の周りは皮膚が薄く、デリケートなところですので、マッサージするときにくれぐれも力を入れないようにしてください。美容ローラーをお持ちであれば、美容ローラーをお使いになるのも良いでしょうし、スプーンなんかでも代用は可能と思います。

病気でもなく、睡眠不足でもないのに、茶色というよりは青みがかった色調のままで なかなか治らないくまは 表皮にあるメラニンがターンオーバーによって上に上がって行くことなく、逆に真皮のほうに落ちてしまったものと考えられます。
このようなものはマクロファージによって食べられてリンパ管、血管を通って体外に排出させる以外に方法がないのですが、その代謝が上手くいかなかった場合は担色細胞(たんしき細胞)と呼ばれるものになって、そのまま留まってしまいます。

このような場合は 改善させることは難しいですが、それでも代謝を促すことで、ゆっくりとは改善していくものと思われます。根気良く毎日、蒸しタオルでの血行促進やマッサージを続けましょう。

目の下がたるんだりシワができることによって影になってクマのように見える場合があります。この場合は4の「シワ、たるみとその対策」のところに書いた保湿や表情筋を鍛えることを重視してください。

6.毛穴の汚れや目立ちとその対策
小鼻に角栓が詰まって黒くなり、イチゴのような見た目になってしまっている方は 「石けん泡パック」、そしてパック直後の収れん作用のある化粧水での「引き締め」という流れのお手入れを定期的に繰り返すことがおすすめできます。
「石けん泡パック」の方法については下記の私のブログでご紹介しています。
肌が強い方限定、毛穴の黒ずみ、角栓に効く「石けん泡パック」
頬の部分の毛穴の目立ちについては「たるみ毛穴」と呼ばれるものであることが多いです。
顔を両手のひらで横に引っ張ってみて、引っぱったときに毛穴が目立たなくなるようでしたら、表皮という「屋根」を支える「柱」である、真皮のコラーゲンやエラスチンが変性して皮膚が落ち込んだことによる毛穴の目立ちということになります。

化粧品は表皮にしか作用できないものですから、どんなに「お肌に良さそう」な成分が入っていたとしても、真皮のコラーゲンやエラスチンを増やすことなど、できません。

しかし 表皮に十分水分を与えてそれをキープさせ、表皮をふっくらさせることによって、少しは「たるみ毛穴」が改善して、毛穴が小さくなる場合があります。
この場合は1でご紹介したお肌の乾燥対策がそのまま有効ですので、化粧水のコットンパックやセラミド配合のクリームや乳液がおすすめです。

特に 乾燥肌であり、まだ年齢も若いにも関らず、毛穴が目立つという方は 特に 十分な保湿を心がけることで、毛穴が小さくなる可能性が高いです。

食生活では コラーゲンの生成を促すビタミンCやタンパク質を意識して摂ることを心がけてください。

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最後に、夢を壊すようですが、「化粧品で改善できるのは表皮まで」というふうに、限界をはっきり知ることも大切です。 「高級そうに見える成分」を微々たる量だけ配合し、容器や箱にお金をかけ、無駄に価格を吊り上げているだけの化粧品が世の中にはたくさん存在しますから、そのような化粧品にお金をつぎこむことが 如何に無意味かということが分かると思います。 続けやすい価格のもの、信頼できる化粧品でしっかり毎日の「保湿・保護」を心がけ、代謝の悪い方は 運動や温浴、マッサージ等で血行促進やリンパ液の流れを促し、あとはバランスの取れた食生活や睡眠、規則正しい生活や紫外線防止のほうにこだわったほうが 高級な化粧品を購入するよりも よほど効果があるということです。